第3回 トニックウォーターについて
YouTube動画はこちらからhttps://youtu.be/q1loCT6IB1E
今回はトニックウォーターについてお話させて頂きます。
「そもそもトニックウォーターってなんなの?」という事なんですが 簡単に言ってしまえば甘味、苦味の入った炭酸清涼飲料水です。
(世界最古の清涼飲料水なんて言われたりもします。^_^)
他の炭酸系の飲み物と違うのはやはり苦味が入っているという事。
ではまず「Tonic」という名の語源からですがギリシャ語の「Tonos トノス」からではないかと言われています。その意味は「緊張」。そこからこの言葉が「健康的、強壮的」という意味になっていったそうです。
ですから今でも「ジントニックには「元気づける」という意味があるんですよ」なんて聞いた方もいらっしゃると思いますが それはこの「Tonos」からきているということです。
では次にトニックウォーターの特徴でもある苦味はどこからきているの?という事なんですが
これはキニーネという成分に由来します。
もともとは南米ペルーで原地の人々が解熱剤としてキナの木の樹皮を服用していました。
それをスペイン人がヨーロッパに伝え、薬として広まっていきます。(宣教師が持ち帰ったので「イエズスの樹皮」と呼ばれていたとか・・・)
そして このキナの樹皮にはキニーネという成分が含まれていて、しかもこのキニーネには抗マラリアの薬効がある事が発見され 当時人々を苦しめていたマラリアの特効薬として重宝されていきます。(17c)
ただこのキニーネ、とにかく苦くて飲みにくい!😩
そこでここに砂糖や炭酸、柑橘類で味付けをして飲みやすい飲料にしていった訳です。それが1771年頃、これが世界最古の清涼飲料水と言われる所以です。
1858年にはロンドン イズリントンのPitt&Coが
トニックウォーターの市販を始めています。
因みに前回の「ジントニックのお話」の中で薬のキニーネにジンも入れて飲んでいたからそれがジントニックの原型だと書きましたが
正確にはジントニックの記述が出てくる文献は
1868年の「Oriental Sporting Magazine」
この時には現在と同じように薬としてではなく
美味しい爽やか飲料として紹介されています。
(この頃のトニックウォーターにはマラリアへの薬効があるほどの量のキニーネは入っていなかったようです。つまり現在と同じように美味しい飲み物として楽しまれていたという事ですかね😅)
補足としてトニックウォーターに入るキニーネの含有量については各国で厳格な規則があります。(トランプ大統領が抗マラリア薬がコロナに効くなんて発言して話題になっていましたが、市販のトニックウォーターを飲んでもマラリア、コロナには効果はないと思います😅)
そして日本ではキニーネの食品添加は認められていません。ですから同じメーカーのトニックウォーターでも海外で売られているものとは成分が違います。
(大半の日本で販売されているトニックウォーターは ニガキ由来の苦味成分(クワッシャー)やシトラス由来の苦味成分(ナリンギン)で苦味を出しています。)
ただ ここでややこしいのが 日本ではキナの抽出物(キニーネも入っているのかも?😅)の食品添加は認められていて 現在ではこのキナの抽出物の入ったプレミアムトニックウォーターが人気です。次回は日本で入手できるトニックウォーターの銘柄をご紹介していきます。🤗